こんにちは。Taku3です。
今回はリバランスについての記事です。
- 「リバランスってよく聞くけど何のことかよく分からない」
- 「リバランスをする意味がよく分からない」
- 「リバランスの効果を具体的に数値で知りたい」
この記事では、リバランスをする場合としない場合でリターンにどのような差が生じるかを簡単シミュレーションします。
- 現金50:株式50の資産配分で運用を開始し、その後の20年間の運用の中でリバランスをする場合としない場合でのトータルリターンを比較
この記事を読むことにより、リバランスの意味・効果を数値で確認できます。
- リスクの高い金融商品で資産を運用する場合はリバランスをした方がトータルリターンを高められる可能性が高いことがイメージできる
ぜひ参考にして下さい。
目次
リバランスとは?
リバランスの定義
定義は以下のとおりです。
複数の資産や証券に分散投資するポートフォリオ運用において、資産の再配分をリバランスといいます。時間の経過とともに相場が変動することで、当初決定した資産配分が変わっていきます。そこで、定期的にその資産配分の比率を当初の計画どおりに修正を行います。これがリバランスです。例えば、1,000万円の資金を国内株式と海外債券に当初は50%ずつ配分していたところ、1年後に国内株式が20%上昇し、海外債券が20%下落したとすると、その時点での投資配分は国内株式60%、海外債券40%に変化します。そこで国内株式を10%分売却し、海外債券を10%分購入することで当初の配分比率に修正するわけです。
引用元:SMBC日興証券
リバランスに期待する効果
リバランスに期待する効果は主に2つあります。
- 自身の設定したリスクに沿った資産配分を保つ
- 「安く買って高く売る」を無意識に実行する
以下で詳細を説明します。
自身の設定したリスクに沿った資産配分を保つ
資産全体の50%を現金、50%を株式で保有する資産配分が自身に適切だと考えた人(以降Aさん)の例です。
Aさんの場合、現金と株式を半々で保有する資産配分なら、株式が50%下落しても資産全体は25%しか減らないので、そのくらいが自分にはちょうど良いと考えて資産配分を決めました↓
数字で見るとこんな感じ↓
次に具体的にリバランスの効果を確認します。
例えば、Aさんの保有する銘柄の株価が運よく2倍になったとします↓
株価が上がると資産も増えるし気分いいですよね。
「今この銘柄を売るなんてトンデモナイ。このままずっと株価は上がり続ける( *´艸`)」
そんな気分になったAさんはリバランスもせずに資産を放置します。
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…調子に乗った人に幸運は訪れません。笑
その後に案の定、株価が半分になる事態が発生↓
初めに自身に適切であると考えて設定した資産全体の下落率25%を超える33%の下落が発生してしまいました。
リスク資産である株式の価格が暴騰していたことで、知らぬ間に資産全体を想定以上のリスクに晒してしまったということ。
こういった事態を防ぐ有効な手段がリバランスになります↓
リバランスをすることで暴落時の資産全体の下落率を当初の予定の25%に抑えられているのと同時に、リターンも向上してます。
これがリバランスの神髄ですね(´▽`)
ちなみに「リスク」については、「リスク選考」と「リスク許容度」という考え方があります。
詳細を知りたいって方はぜひ「ウォール街のランダム・ウォーカー 第12版」を読んでみて下さい。
「安く買って高く売る」を無意識に実行する
またまたAさんの例で考えます。
Aさんはリバランスをするタイミングで株価が安くなっている場合、資産全体に占める株式の割合が少なくなっているため、現金で株式を購入して株式比率を上げることになります。
逆に株価が高くなっている場合、資産全体に占める株式の割合が多くなっているため、株式を売却して株式比率を下げることになります。
以下の図が分かりやすいです↓
つまりリバランスをすることによって「高い資産を売り、安い資産を買う」といったことがマーケットの動向を注視しなくても実行できるというわけです。
以上の2点が一般的に言われるリバランスの効果になります。
リバランスの具体例
リバランスですが、そこまで頻繁に行う必要はなく、一般的には1年に1度程度でよいと言われています。
1年に1度のリバランスのイメージはこんな感じ↓
コレを1年に1回、自分の決めたルールのとおりに実行することが、投資における失敗を防止する有効な手段の1つになります。
リバランスの効果をシミュレーションで確認
シミュレーション条件
以下をシミュレーション条件とします↓
- 現金50%:株式50%を適切な資産配分と設定
- 元本は現金100万円、株式100万円とし、追加投資はなし
- リバランスはありとなしの2パターンを検証
- 株式の期待リターンは5%とし、リスクは0%、10%、20%の3パターンを検証
- リスクは1標準偏差のみで考え、1年目はプラス側最大値→2年目はマイナス側最大値→3年目はプラス側最大値・・・といった形で毎年プラスとマイナスを交互に変動する
- インフレなどその他の変動要因は考慮しない
それではさっそく結果を確認します↓
シミュレーション結果
株式のリスクを0%とした場合
まずは株式のリスクを0%に設定した場合。
リスク0%とかありえないんですが付き合って下さい。笑
このケースでリバランスをしないと結果はこうなります↓
リスク0%なのでキレイな右肩上がりの複利曲線に(´▽`)
月日が経つにつれ、株式の比率がドンドン高まってます。
次はリバランスをする場合↓
…右肩上がりは右肩上がりですが、リバランスなしと比較して複利曲線が弱いような気が…
リターンを比較してみます↓
やっぱり、リバランスなしの方がリターンが高いという結果になってます。
「リバランスに期待する効果」の項であれだけホメちぎったリバランスを、まさかやらなほうがいいなんて…
念のため数字でも確認↓
リバランスなしだと365万円に膨らみ上がる資産合計額がリバランスありだと298万円。
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結論:リバランスは必要ない!!!
以上、ありがとうございました~(´▽`)
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という無駄な冗談をはさみつつ、リスクを上げてシミュレーションを続けます↓
株式のリスクを10%とした場合
まずはリスクを10%に上げてみます。
リバランスなしではこんな感じ↓
標準偏差内で上下しながらも、長期的にみれば資産全体の金額は株式の比率を増やしながらの右肩上がり。
次はリバランスする場合↓
当たり前ですが株式比率がドンドン増加するリバランスなしと比較し、リバランスありの場合は株式比率は適正に保たれています。
ただ、資産全体の金額に関してはリスク0%の時と比べ、リバランスなしとの差があまり分からなくなってます。
なのでリターンを比較してみます↓
ほぼ同じ?
いや、若干リバランスありの方がリターンが高いですかね。
数字でも確認します↓
リバランスなしだと20年後の資産合計額は342万円ですが、リバランスありだと352万円。
若干ですが、リバランスありの方がリターンが高いという結果になりました。
株式のリスクを20%とした場合
最後に株式の現実的なリスクである20%で確認します。
まずはリバランスなし↓
リスク10%の時より資産の上下のブレ幅が大きくなってますが、長期的にみれば資産全体の金額は株式の比率を増やしながらの右肩上がりという傾向は同じ。
次はリバランスあり↓
…リバランスなしの時よりリターンが上がってる?
その上がり代がリスク10%の時より顕著な気が…
リターンを比較して確認します↓
…露骨に差が出てますね。
数字でも確認します↓
リバランスなしだと20年後の資産合計額は283万円ですが、リバランスありだと395万円。
なんとリバランス有無の差だけで112万円もリターンの差が生まれました。
「安く買って高く売る」リバランス、大切ですね。
【まとめ】リスクの高い資産運用をする場合はリバランスをした方がリターンが高まる可能性が高い
今回はリバランスの意味と効果についての記事でした。
- リバランスをしないと知らぬ間にリスクを取り過ぎてしまうおそれがある
- リバランスによって資産全体のリスクを適切に管理できる
- リバランスにより安く買って高く売ることはリターンの向上につながる
- リスクが高ければ高いほどリバランスの効果は大きい
リバランス、超重要!
私は現金+全世界株式インデックスファンドをメインに資産形成をしています。
私の投資はまさにこの記事のシミュレーション結果に当てはまるので、今回の記事の執筆は自身の今後の投資生活の参考になりました。笑
ただリバランスって人間の心理に反した行為なんですよね。
株価の上がっている保有銘柄を見ると「まだまだ上がる」と思って買いたくなる。
株価の下がっている保有銘柄を見ると「これ以上下がったら…」と思って売りたくなる。
普通の人の心理ってのは上記のような感じですよね。
でもリバランスってのはコレと逆のことをする行為。
株価が上がり続けてるのにそれを売って現金にする。
株価が下がり続けてるのにそれを更に買い向かう。
それがリバランスなんです。
未来の株価を正確に予測できる人はいません。
現在の株価が割安なのか割高なのかさえ正確に把握できる人はいません。
ただ、リバランスをしていればそれなりの結果にはたどり着けます。
規則正しいリバランス戦略は、自身のリスクを適切に保ち、株式を安く買って高く売るための魔法の戦略かもしれません。
今回は以上です。
以下は関連情報です。参考になれば嬉しいです。
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