こんにちは。Taku3です。
「現代社会では世界中の市場がインターネットで繋がっているので、世界中の株式の値動きは連動している。なので、全世界の株式に分散することに意味はない。」との意見を耳にすることがあります。
- 各国の株価がどの程度連動しているかが気になる人
- 全世界株式への投資をしようかどうか迷っている人
この記事では、全世界株式インデックス投資の分散の意味を、相関係数と株価指数を見ながら考えたいと思います。
- 株式投資における期待リターン・リスク・相関係数とは?
- 全世界株式インデックス投資の相関係数から見る分散効果
- 全世界株式インデックス投資の株価チャートから見る分散効果
この記事を読むことで、全世界株式インデックス投資をすることによって得られる分散の効果を理解することができます。
- 株式という同じ資産クラスだけに投資をする場合、投資国を分散させてもリスクを大きく低減する結果にはならないことが理解できる
是非参考にして下さい。
目次
株式投資における期待リターン・リスク・相関係数とは?
本題に入る前にiFinanceの記事を元に金融用語のおさらいです。
期待リターンとは?
期待リターン(期待収益率)は、「要求収益率」とも呼ばれ、投資家がある資産について、将来にわたる運用から獲得することが期待できる平均的なリターン(収益率)のことをいいます。これは、投資する資金に対して、どれくらいの収益が見込めるかを示したもので、投資対象商品によって、それぞれ異なります。
引用元:iFinance
リスクとは?
リスクは、資産運用(投資)においては、将来のリターンの不確実性(変動性)のことをいいます。これは、結果が不確実であることを意味し、”損失”と”利益”の両方の可能性を含みます。また、その結果(損益)の変動幅が小さければ「リスクが低い」、一方で変動幅が大きければ「リスクが高い」と言います。
一般にローリスクでハイリータンの投資商品は存在せず、「絶対確実で凄く儲かる」といった投資話は大抵怪しいと考えた方がよいでしょう。
引用元:iFinance
相関係数とは?
一般に相関係数は、資産運用においては、二つの銘柄または二つの商品の間に見られる「値動きの関係を表す数値」として活用されています。この数値は、-1から+1までの範囲で表され、+1に近い場合は二つの値動きが同じように起こる傾向が強く、0に近い場合は値動きに関連性がなく、-1に近い場合は反対の動きを示す傾向が強いと考えられます。通常、株式や債券、通貨、コモディティなど複数の商品に投資してリスクを分散する「分散投資」を行う場合には、相関関係ができるだけ小さいもの同士を組み合せる方が、リスク低減効果がより大きくなると言われています。
引用元:iFinance
全世界株式インデックス投資の相関係数から見る分散効果
上の表はeMAXIS シリーズ各ファンド間の相関係数を示したものです。
全世界株式と先進国株式の相関係数は+0.997であり、ほぼ同じ傾向の値動きをすることが分かります。
その他に関しても相関係数は+0.5を超えているので、分散効果はあまりないように見えます。
- 対先進国株式+0.997
- 対新興国株式+0.890
- 対国内株式+0.639
全世界株式インデックス投資の株価チャートから見る分散効果
次に各国の相関係数を2003年9月以降の世界の株式主要指数のチャートで確認しました。
対象国は eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の組入れ銘柄の上位5か国(先進国)+中国、韓国、台湾(新興国)。
まず驚くのは中国の値動きが凄まじいってところですかね。笑
値動きの大小はあれど、リーマンショックのあった2007年あたりで全ての国で同様に株価の暴落があったことが分かります。
その後、上がったり下がったりを繰り返し、2018年末のクリスマスショックや最近のコロナショックでみんなそろって暴落。
この国の株価が上がった時にこっちの株価は下がるといった、逆相関の関係はほぼ見られません。
ちなみに、今回とりあげた8か国の株式指数を時価総額加重平均で保有した場合の全世界株式インデックスのチャートは以下のとおり。
アメリカが組入れ比率の約70%を占めるため、アメリカと似たような値動きになってます。
リターンに関してもアメリカの力強さの恩恵を受け、全体の平均より少し上といった感じです。
【まとめ】株式という同じ資産クラスだけに投資をする場合、投資国を分散させてもリスクを大きく低減する結果にはならない
今回は相関係数と株式指標から全世界株式インデックス投資のリスク分散の効果を見ました。
- 株式という同じ資産クラスだけに投資をする場合、投資国を分散させてもリスクを大きく低減する結果にはならない
全世界株式インデックス投資は、良くも悪くも全世界の平均点をとるということ。
1つの国に集中投資をするよりはリスクを低減できますが、あくまで株式は株式でしかないため、長い目で見ると逆相関することはありません。
もっと大幅にポートフォリオ全体のリスクを低減させたいのであれば、株式と逆相関のある債券を組入れるなど、株式以外の資産クラスを組み入れる必要があります。
今回は以上です。
以下は関連情報です。参考になれば嬉しいです。
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リスク低減のために債券などの資産を保有する考えもアリですが、株式は最強の資産だということもお忘れなく。
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