こんにちは。Taku3です。
以前にこんな記事を書きました。
この記事の結論は以下のとおり。
- 相関係数と株式指数から見ると、株式という同じ資産クラスだけに投資をする場合、投資国を分散させてもリスクを大きく低減する結果にはならない
上記の記事を読む限り、全世界株式に投資をする意味はないんじゃないかと思いますよね…
- 全世界株式に分散する意味が分からない人
- 全世界株式への分散には意味がないと考える人
この記事では、全世界株式インデックス投資の分散の意味について、私の意見を紹介します。
- 自分が投資をする期間にどの国のリターンが高くなるかを予測することは難しい
- 全世界株式インデックス投資では、世界情勢に合わせて組入れ比率が変更される
この記事を読むことで、全世界株式インデックス投資をすることによって得られる分散の効果を理解することができます。
- 全世界株式インデックス投資では、未来の世界情勢がどうなっても平均リターンが得られることが理解できる
是非参考にして下さい。
目次
自分が投資する期間をとおして、どの国のリターンが高くなるかを予測することは難しい
過去の世界主要株価指数の推移
まずは、各国の過去のリターンを2003年9月以降の主要株式指数の推移で確認します。
対象国は eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の組入れ銘柄の上位5か国+中国、韓国、台湾。
上記8つの国の主要株式指数を2019年9月末時点での時価総額加重平均で保有したモノを「全世界」とします。
実際の全世界株式インデックスファンドでは定期的に時価総額比率を見直すため、その時その時の世界情勢に合わせた組入れ比率に変更されます。
2003年~2020年の推移
- アメリカ+180%
- 韓国+165%
- 全世界+145%
- 中国+106%
- カナダ+91%
- 台湾+81%
- フランス+44%
- イギリス+43%
- 日本+38%
2003年~2020年のトータルリターンで全世界を上回っているのは8か国中、アメリカと韓国の2か国のみ。
結果から見れば、2000年代に入ってからはアメリカに投資をしておけばリターンが一番高かったということになります。
でも実際にその時代に投資をしていたとして、この結果は予測できたでしょうか?
ここからは、更に期間を5年ピッチで3つに分割し、株価指数の推移を見てみたいと思います。
2006年~2010年の推移
- 中国+123%
- 韓国+47%
- 台湾+37%
- カナダ+13%
- イギリス+2%
- 全世界+1%
- アメリカ-2%
- フランス-23%
- 日本-47%
2006年~2010年のトータルリターンで全世界を上回っているのは8か国中、5か国と結構多いです。
が、その中にアメリカの名前はありません。
新興国の株価がリーマンショック底値から強く反発してますね。
中国はジェットコースターみたい。笑
ちなみに、この時代は新興国への投資が流行ってたらしいです。
人間って単純…
2011年~2015年の推移
- 日本+70%
- アメリカ+59%
- 全世界+49%
- 中国+27%
- フランス+16%
- イギリス+6%
- カナダ-4%
- 韓国-5%
- 台湾-9%
2011年~2015年のトータルリターンで全世界を上回っているのは8か国中、日本とアメリカの2か国のみ。
2011年の東日本大震災以降、日本は力強く株価を伸ばしています。
2016年~2020年の推移
- アメリカ+44%
- 全世界+31%
- 台湾+25%
- カナダ+10%
- 中国+3%
- フランス+2%
- 日本-2%
- 韓国-3%
- イギリス-4%
2016年~2020年のトータルリターンで全世界を上回っているのは8か国中、アメリカのみ。
この時期からアメリカ株への集中投資が流行り出したみたいですね。
未来のリターンの予測
過去のリターンは、時代のどこを切り取るかで結果が大きく変わることが分かりました。
では未来のリターンは?
残念ながら、私は20年、30年といった長い期間で各国のリターンがどうなるかを予測するスキルを持っていません。
人口の増減予測や資本主義基盤の確かさなど、アメリカが今後も資本主義を牽引するとの意見もありますが、イマイチ納得できるほどその主張を理解できていません。
最近ではアメリカ集中投資が流行ってますが、バンガード社の見解では今後のアメリカのリターンは減速すると見られています。
世界の経済成長率の予測は、19年の3.3%から、2.9%に減速という見通し。特に、「これまで例外的に良い状況だったアメリカは1~1.5%成長に減速する見通しである。ドル建ての株式投資リターンは、向こう10年間で年3.5~5.5%程度のリターンに低下する見通し。米国を除くグローバル株式のリターンは6.5~8.5%程度が期待され、米国以外の株式への分散投資が望ましい」とした。また、日本株式は年2.5~4.5%程度のリターンが見込まれるものの、リターンを向上させるためには「日本の投資家は日本株式以外、米国株式以外への分散投資が重要」と語っていた。
引用元:モーニングスターに掲載されたバンガード社の見解
20年、30年といった長い投資期間で見た時に、この先の各企業、各国の情勢がどうなるかなんて誰にも分からないってのが本音だと思います。少なくとも私には分かりません。
全世界株式インデックス投資では、世界情勢に合わせて組入れ比率が変更される
例えば、未来の世界情勢が上の図のように変わったとしても、全世界株式インデックス投資ならそれに合わせて組入れ比率を自動で変更してくれます。
もしアメリカが右肩下がりを続け、中国やインドなどが大幅に伸びたとしても、プロのファンドマネージャーがそれに合わせて銘柄を入れ替えてくれます。
中国やインドの爆発的な成長の恩恵をそのまま受けることはできませんが、後退していく国の損失をそのまま被ることもありません。
世界の平均位置を常にキープすることができます。
【まとめ】全世界株式インデックス投資はインデックス投資の王道
今回は、過去の世界主要株式指数の推移や未来のリターン予測の難しさから見る全世界株式インデックス投資の分散の意味について記載しました。
- 過去のリターンから未来のリターンを予測することはできない
- 未来のリターンを正確に予測することはできない
- 全世界株式インデックス投資では、未来の世界情勢がどうなっても平均リターンが得られる
インデックス投資の本質は資本主義の成長に乗っかることであり、全世界インデックス投資はインデックス投資の王道中の王道。
どこの国が衰退しようとも、どこかの国が台頭し、資本主義は続いて行く。
私は今後も全世界株式インデックス投資を続けます。
今回は以上です。
以下は関連情報です。参考になれば嬉しいです。
関連情報
相関係数と株価指数から見ると、株式のみに投資をする場合、全世界に地域分散することだけではリスクを大幅に低減することにはなりません。
私は株式投資を資産形成をするための非常に有効な手段だと考えています。
優良なインデックスファンドを選ぶことは資産形成において非常に重要です。