基礎知識 株式投資

投資ではポートフォリオよりもアセットアロケーションが大事な理由

投稿日:2020年5月23日 更新日:

アセットアロケーションの重要性のイメージ図

こんにちは。FP技能士のTaku3です。

株式投資をしている皆さん、銘柄分析は好きですか?
どこの銘柄が良いとか悪いとか、そういった話をよく耳にします。

今回はポートフォリオ(銘柄の組合せ)ではなく、アセットアロケーション(資産配分)の重要性についての記事になります。

こんな人に読んでもらいたい
  • 「ポートフォリオとアセットアロケーションの違いが分からない」
  • 「銘柄分析ばかりに時間をかけて資産配分を深く考えていない」
  • 「各資産のリターンと値動きの幅(リスク)を知りたい」

この記事では、アセットアロケーションが長期投資のパフォーマンスの大部分を決めるということを図を使って説明します。

この記事の内容
  • アセットアロケーションとポートフォリオの違い
  • 長期投資のパフォーマンスの9割がアセットアロケーションで決まる

この記事を読むことによって、アセットアロケーションを決めることがどれだけ重要かが分かります。

この記事を読んで得られること
  • ポートフォリオよりもアセットアロケーションが投資のパフォーマンスを決定づけることが分かる

ぜひ参考にして下さい。

アセットアロケーションとポートフォリオの違い

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アセットアロケーションとは?

アセットアロケーションとは、運用する資金を国内外の株や債券などにどのような割合で投資するのかを決めることをいいます。アセットとは「資産」、アロケーションとは「配分」という意味を持っています。

資産は、大きく分けて「現預金」「国内株式」「国内債券」「外国株式」「外国債券」「不動産」「商品・金」など、同じような特性を持つ商品のグループを指します。アセットアロケーションは、その人の資産状況やリスク許容度、運用目的などによって人それぞれで適切な配分が異なります。

また、具体的に商品を組み合わせたものをポートフォリオといいます。

引用元:SMBC日興証券

簡単にいうとアセットアロケーションとは、どの資産をどういった割合で保有するかを決めることです。

図にするとこんな感じ↓

アセットアロケーションの例

ポートフォリオとは?

ポートフォリオとは、金融商品の組み合わせのことで、特に具体的な運用商品の詳細な組み合わせを指します。「ポートフォリオを組む」ということは、どのような投資信託を購入しようか、株はどの銘柄で何株ほど持つか、などの検討をするという意味です。

もともとの語源は、紙ばさみや書類入れという意味で、欧米では紙ばさみに資産の明細書を保管していたことが言葉の由来となっています。

ポートフォリオが具体的な商品の詳細な組み合わせを意味するのに対し、大まかな資産配分のことをアセットアロケーションといいます。

引用元:SMBC日興証券

簡単にいうとポートフォリオとは、どの銘柄をどういった割合で保有するかを決めることです。

先ほどのアセットアロケーションの8つの資産に投資するためのポートフォリオを組んだ例がこんな感じ↓

ポートフォリオの例

*推奨するポートフォリオではないので注意!

ポートフォリオ①では8つのインデックスファンドを組合せてつくってますが、ポートフォリオ②ではバランスファンド1つでつくっています。

同じアセットアロケーションでもポートフォリオは戦略によって変わってきます。

長期投資のパフォーマンスの9割はアセットアロケーションで決まる

重要です, スタンプ, インプリント, 感嘆符, コールサイン

この説の根拠は論文によって記されている

1986年に研究者ゲイリー・ブリンソン、ランドルフ・フッド、ギルバート・ビーバウワーが発表した「ポートフォリオ・パフォーマンスの決定要因」論文によれば、「投資のパフォーマンスの9割はアセットアロケーション(資産配分)で説明できる」とされています。

つまり、「どの銘柄をどのタイミングで買う」といったことよりも、「どの資産をどの割合で保有するか」が投資パフォーマンスにおいて支配的な要素になるということ。

その後、2016年にバンガード社の「戦略的アセットアロケーションのグローバルな事例とホーム・バイアスの検証」により、上記の論文の妥当性が裏付けされています。

アセットアロケーションがリターンを決定づける
引用元:バンガード社

各資産のリターンとリスクをデータで確認

とはいえ、「論文なんて堅苦しくて読みにくい!」って方も多いと思うので、ざっくり図を見てイメージをつかみましょう!

以下はアメリカにおけるインフレ調整後のドル、金、債券、株式の長期リターンをあらわした図です。

各資産クラスの実質リターン
引用元:株式投資の未来

実質リターンが高いのは株式>債券>金>ドルの順。

逆にリスク(価格の変動幅)が高いのも株式>債券>金>ドルの順。

債券と株式のデータしかありませんが、他の国のデータも確認↓

株式と債券の国別実質リターン
引用元:株式投資の未来

全ての国で実質リターンが株式>債券となっている点はアメリカと同じ。

債券のリターンがマイナスになっている国は敗戦国です。
比較的安全なリスク資産と言われる債券にもこういった面があります。

敗戦国でも株式のリターンはプラスで推移してます。
株式ってスゴイ。

株式と債券を組合せても、同じ傾向が確認できます。

バンガードのデータでも↓

株と債券の組合せ別のリターンとリスク
引用元:バンガード

JPモルガンのデータでも↓

株と債券の組合せ別のリターン
引用元:JPモルガン

これらのデータが示すように、投資におけるリターンや値動きの幅(リスク)の大部分はアセットアロケーションによって決まります。

【まとめ】自分の投資目的に沿ったアセットアロケーションを明確に!

グラフ, 円グラフ, 図, 3 D, 金融

今回はアセットアロケーションが投資のパフォーマンスに与える影響についての記事でした。

結論

投資リターンの大部分はポートフォリオ(銘柄の組合せ)ではなくアセットアロケーション(資産配分)で決まるため、まずは自分の投資目的に沿ったアセットアロケーションを明確にしよう!

例えばの話ですが、

株式=飛行機
債券=自動車
現金=人間

だとして、レースします。

人類最速の男であるウサイン・ボルト選手でも軽自動車にすら勝てない。
最速クラスのF1マシンでも民間機にすら勝てない。

逆に事故にあった時の死亡率は、速く走る乗り物ほど高くなる。

そもそも各資産は特性が全く違うんです。

どの資産に乗るかを決めた時点で投資におけるリターンと値動き幅(リスク)の大部分は決まります。

BMWにしようかベンツにしようかと悩む前に、飛行機に乗るのか車に乗るのかを決めることが最優先だと思います。

これを機にアセットアロケーションの重要性に気づいてくれる人が1人でもいれば幸いです。

今回は以上です。

以下は参考情報です。参考になれば嬉しいです。

関連情報

各資産がどういった値動きをするかを視覚的に知りたい方は読んでみて下さい。

株式は戦闘機。最強クラスの資産です。

投資においては値動きの幅(リスク)を低減させることがリターンの増加につながります。

-基礎知識, 株式投資
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